« ■ 溝川悠介先生に訊く原発のお話(4) | トップページ | ■ 東北電力と九州電力が家庭電力の買い取りを止めると言っていますが »

■ 溝川悠介先生に訊く原発のお話(5)★ 再生可能エネルギー(自然エネルギー)でやっていけるのか

    ★ 再生可能エネルギー(自然エネルギー)でやっていけるのか

 溝川悠介先生に原発のお話もいよいよ最終回。
先週の第4回目までは、原発がいかに危険かということを話してまいりました。
「FMわぃわぃ」では「ももっちおばちゃん」こと溝江玲子がお話を聞かせていただきました。
放送だけでは足りなくてその後もお話を沢山お聞かせいただきました。その貴重なお話もまとめて書いています。
 先週の第4回目までは、原発がいかに危険かということを話してまいりました。
原発をやめて未来に向かうエネルギーとして「再生可能エネルギー・自然エネルギー」がと言われていますが、やっていけるのかなどの声もあります。
いま一番聞きたいことは、再生可能エネルギー(自然エネルギー)のポテンシャルのことです。再生可能エネルギーとしては、「太陽光」「地熱」「小水力」「風力」「バイオマス」「潮汐力」などがあります。
大切なことは、そのどれもが、日本には豊富にあるということ。
日本では今2億キロワットの発電をしています。一方、再生可能エネルギーのポテンシャルとして20億キロワットもの電力が見込めることが、環境省の調査で明らかとなっています(再生可能エネルギー導入ポテンシャルの調査(2010年度))。
その上日本は大変高い再生可能エネルギーの技術力を持っていて、その技術がどんどん外国に輸出されています。自国ではその技術力を使わず、原発にしがみついているおかしな国です。

bell ユーチューブにアップしています、お聞き下さいませ shine
http://www.youtube.com/watch?v=59yO4FwWH-w

 太陽は地球表面に1kw/m2のエネルギーを降り注いでいます。太陽光発電装置を設置すれば、その光エネルギーを電気に替えて利用することが出来ます。ただし1kw/m2のエネルギーを全部電気として取り出せるわけではありません。光を電気に替えれるのは10数%程度(変換効率)で、地域、季節、天候、陽の傾き、などで照射光エネルギーは大きく変わります。
太陽光発電装置を屋根に取り付けるなどすれば、場所も取りません。一般標準家庭で3kwシステムを設置すると150万円程度かかります。このシステムで年間10万円程度の電気を産み出すとすれば、設備投資費用の元を取るまで15年程度かかります。それ以上に長持ちすれば得ですし、それまでに壊れれば損ということになります。

理解しやすいように我が家の実例を示しましょう。我が家の屋根に、3.1kwシステムを設置して丁度10年になります。
まず、3.1kwシステムというのは、約1平方メートルのパネルに1kwの光エネルギーが照射し、そのうち変換効率13.7%とするとパネル1枚の公称最大出力は132wとなります。そのようなパネルを24枚設置した場合、132w×24=3168w≒3.1Kwシステムと呼ばれます。3.1kwの発電を昼夜を問わず行えば、年間3.1kw×24h×365日=27,000kwhとなります。
しかし、実際は夜もあれば天気の悪い日もあり、我が家では10年で31,400kwhの積算電力量となっています。年平均で約3,200kwhです。すなわち公称最大出力の12%程度となります。年間使用電力量は、約8,000kwh、売り電力量は1,100kwhです。我が家の発電システムは、現在の売買価格では、25円/kwh×(3200-1100)kwh+1100kwh×48円/kwh=105,300円を年平均稼いでいることになります。この価格では設備投資150万円の元を取るには約15年かかります。もし公的買取を余剰電力だけでなく、全発電量に適応してもらえれば、48円/ kwh×3200kwh≒15万円となり、10年で元が取れることになります。
原発優遇に税金を使うのでなく、自然エネルギーの公的買取価格引き上げ、設置補助金の単価と枠も拡充すれば、数年で元が取れ各家庭でのエネルギーの自給自足も夢ではありません。
原発はあまりにも危険、化石燃料による火力発電は地球温暖化や資源の枯渇が起こることを考えれば、公的な再生可能エネルギーへの補助制度を大幅に増やし、ドイツなどのように大きく再生可能エネルギーに舵を切るべきでしょう。

 地熱も火山列島で温泉が抱負に湧き出る我が国では大変有力な発電方法で、環境省の調査調査資料では、1400万kw/年のポテンシャルが見込まれ、現在の全原発発電量の1/3に相当します。

 水力発電のことで言えば、今までのように村を沈めて大掛かりなダムを建設するのではなく、小さな川で小型発電機を回せばいいのです。日本はたとえ平地であっても川に流れがあります。流れがあるので小川や浄水路でも簡単に小型水力発電ができるのです。またお金も掛かりません。
例えば、最近見学に訪れた吉野町殿川地区では、過疎が進みお年寄りも多く、雨、雪で、すぐ停電になります。そこでは、小さな水路に簡単な水車を取り付け、自転車用発電機を回して発電し、LEDを使って街灯や集会所の明かりや水道水の汲みあげポンプに使われています(材料はすべてホームセンターで調達)。
参加者からは「思っていたより小さな施設ではありましたが、参加者全員、温かい満足感をもって帰路につきました。まだまだ日本は捨てたものではないと実感した一日でした。」との感想が寄せられていました。エネルギーの地産地消で地域起こしです。自然破壊の大型ダムを造る必要は全くないのです。

 原発が素晴らしいと宣伝されていた中に、クリーンエネルギーで地球温暖化を止める特効薬だというのがあります。本当にそうでしょうか。原発は核分裂や死の灰から出る崩壊熱を冷やすために水を循環させています。原発で発生するエネルギーの3分の2は冷却水を通して海へ捨てられています。すなわち、100万キロワットの原発の原子炉の中では、300万キロワット分のエネルギーが出ていますが、そのうち電気になっているのはたった3分の1で、残りの200万キロワット分のエネルギーは海に棄てている効率の悪い発電方法なのです。
日本の全原発を冷やすため、1年で1千億トンの温排水をしているのです。なんとこの排水量は、日本の全河川流量の1/4にもあたるのです。
しかも排水する海水の温度は、7℃も温められているという大変なことをやっています。その結果、周辺の海の温度も上昇させ生態系にも悪影響を及ぼします。
さらに、海水温が上昇することでCO2も放出され地球温暖化の促進にもつながります。ここにも原発の大きな誤魔化しがあります。原発を止めることが地球温暖化の問題でも重要だということが分かるでしょう。
 大飯原発訴訟の福井判決では、関電の「原発はCO2を出さず地球温暖化に資する」といった主張に対して、樋口裁判長は、「原子力発電所でひとたび深刻事故が起こった場合の環境汚染はすさまじいものであって、福島原発事故は我が国始まって以来最大の公害、環境汚染であることに照らすと、環境問題を原子力発電所の運転継続の根拠とすることは甚だしい筋違いである。」とバッサリと切り捨てられました。

 また、原発は経済の面から安いと宣伝され、そう思わされていますが、それは原発には莫大な税金が入れられているからです。現在進行形の、除染や賠償、中間貯蔵施設、汚染水対策、廃炉費用、核廃棄物最終処分、などなどに陰に陽にどれだけ国民が負担しているかは実感しているところです。
原発には、総括原価方式といって、簡単に言うと資産に3%かけたものが電力会社の利益として確保したうえでその他の経費を加えて電気料金が決まるのです。
資産とは何か。原発を莫大な金をかけて建設するとそれが資産になります。その上、核燃料もそうですし、核廃棄物も資産とします。廃棄物でさえ溜まればそれだけ資産が増えたということで、電気代に転嫁できるのです。総括原価方式ですので、原発を建てれば建てるほど資産が増え、核廃棄物も増えれば資産となり、それらを電気代として取れるので、原発を作れば作るほど電力会社は大もうけ。絶対に自ら原発を止めようとは思いません。核廃棄物とは死の灰です。こんな考えは捨てなければ私たちの未来は真っ暗です。

 国が富むために原発が必要だとは良く言われる言葉ですが、福島は豊かな穀倉地帯でありました。3・11で汚染されたということは、大きな地域を失ったと言ってもいいでしょう。安心して住める国こそが一番大切なこと。今こそ、考え方を180度改めることが必要だと思います。最後は福井判決で締めくくりましょう。

 「被告は、本件原発の稼動が電力供給の安定性、コストの低減につながると主張するが、当裁判所は、極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と電気代の高い低いの問題等とを並べて論じるような議論に加わったり、その議論の当否を判断すること自体、法的には許されないことであると考えている。このコストの問題に関連して国富の流出や喪失の議論があるが、たとえ本件原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流出や喪失というべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失であると当裁判所は考えている」。
 全くそのとおり!胸のつかえが下りるような名判決。頑張って、この判決を現実のものとしましょう。

heart  アマゾン 「小出裕章 原発と憲法9条」
http://www.amazon.co.jp/%E5%B0%8F%E5%87%BA%E8%A3%95%E7%AB%A0-%E5%8E%9F%E7%99%BA%E3%81%A8%E6%86%B2%E6%B3%959%E6%9D%A1-%E5%B0%8F%E5%87%BA-%E8%A3%95%E7%AB%A0/dp/4946550313/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1330959821&sr=8-1

diamond  遊絲社 「小出裕章 原発と憲法9条」出版にいたるまで
http://www.yuubook.com/center/interview/koidesan_20120101/koidesan_20120101.html

club  アマゾン 「ヒロシマの記憶 原発の刻印」肥田舜太郎
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%92%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%83%9E%E3%81%AE%E8%A8%98%E6%86%B6-%E5%8E%9F%E7%99%BA%E3%81%AE%E5%88%BB%E5%8D%B0-%E8%82%A5%E7%94%B0-%E8%88%9C%E5%A4%AA%E9%83%8E/dp/4946550372/ref=sr_1_2?ie=UTF8&qid=1381067552&sr=8-2&keywords=%E9%81%8A%E7%B5%B2%E7%A4%BE

fullmoon  遊絲社 「ヒロシマの記憶 原発の刻印」出版にいたるまで
http://www.yuubook.com/center/hanbai/syoseki_syousai/syousai_hiroshimaki.html


   お気に入りましたらflair 応援 flairのクリックお願いしますね
    ↓ down
   flair 人気blogランキング

   

|

« ■ 溝川悠介先生に訊く原発のお話(4) | トップページ | ■ 東北電力と九州電力が家庭電力の買い取りを止めると言っていますが »

原発」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

環境」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/481082/57544171

この記事へのトラックバック一覧です: ■ 溝川悠介先生に訊く原発のお話(5)★ 再生可能エネルギー(自然エネルギー)でやっていけるのか:

« ■ 溝川悠介先生に訊く原発のお話(4) | トップページ | ■ 東北電力と九州電力が家庭電力の買い取りを止めると言っていますが »