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■ こんなに酷いぞ!小選挙区制

   

こんなに酷いぞ! 小選挙区制

昨年2012年12月26日の衆議院の選挙で1票の格差がますます広がったのです。もう我慢も限界です!
衆院選で小選挙区の「1票の格差」が2・43倍になったので、「法の下の平等」ではないじゃないかと、あちこちで訴訟が起きました。
訴訟が起きるのも当然だと思います。

 ユーチューブにもアップ、お聞き下さいませ
http://www.youtube.com/watch?v=vXdwI-BpJ4E&feature=player_embedded#!

裁判の結果、
: 各地の【高等裁判所が2件で「違憲で選挙は無効」】を出しました。
 【即時無効】の判決が出たのは実は初めてだったのです。
出したのはどこかというと、
: 広島高裁 3/25日に (広島1、2区)
: 広島高裁岡山支部 3/26日に (岡山2区)
です。 
* 裁判は今後最高裁判所で審理される予定ですが、「違憲」に加え、選挙自体が「無効」と判決されたのはとっても重大です
このほか、
: 12件で「違憲だが選挙は有効」、
: 2件で「違憲状態」との判決
が出ています。
このように、
高裁が、相次いで「違憲」と判決をしたのは最高裁の「違憲状態」判決をさらに進めたものといえます。

これまでの選挙で高裁が「違憲」と判決することはあったのですが、混乱を避けるなどの理由で選挙が「無効」とされることはありませんでした。
しかし、今回二つの高裁が「無効」と判決したのは、小選挙区制のもとでの「1票の格差」が、もはや一刻もほうっとけない段階にあることを示していますね

【憲法は、「すべて国民は、法の下に平等であって」「政治的、経済的または社会的関係において、差別されない」(14条)とあります。
「1人1票」が原則の民主主義の根幹といえる選挙制度で、1人の有権者が2票以上の権利を持つなど、こんなおかしなことが許されないのは当たり前です。
格差が2倍を超えていた先の総選挙が「違憲」と判決されるのは当然といえましょう】

 1956年に第3次鳩山一郎内閣が単純小選挙区制を、1973年に第2次田中角栄内閣が小選挙区比例代表並立制をそれぞれ衆議院に導入しようと計画しました。
しかしあまりにも大政党に有利である、そして、選挙区の区割りがいびつであり勝手にできると批判がでました。
特に区割りに関しては、
: 1810年代のアメリカにおける事例、マサチューセッツ州知事エルブリッジ・ゲリーが、サラマンダーの形をした【自党に有利な選挙区をつくり】ゲリマンダーと呼ばれた故事をもじって、
ハトマンダー(第3次鳩山内閣)・カクマンダー(第2次田中角栄内閣)と笑われバカにされました。
あまりに酷い制度だと思われて、両内閣とも導入を断念したのです。

ところが、
* 1994年、衆議院選挙で小選挙区比例代表並立制(小選挙区300、比例代表200)が、細川内閣のときに導入され、1996年の衆院選から実施されちゃいました
もっともらしい理由をつけて、小選挙区が最高にいいのだよと持ち上げた評論家も大勢いましたね。
しかし、
* 2005年の衆院選・2012年の衆院選における自民党、2009年の衆院選における民主党が、いずれも、たった4割台の得票率で、7割から8割もの大きな議席を獲得しているのは、皆さんも記憶しているでしょう。
小選挙区制は国民の民主主義を歪めてしまう制度です。
* 小規模政党が選挙区で当選しにくくなり、政治的に少数派の意見が国の政治に反映されないようになるのです。
更に小選挙区制度では二大政党制になりやすくて、小規模政党は踏み潰されることになるばかりでなく、
 【二大政党の間で妥協や相乗りが生まれれば事実上の一党制(一党独裁)に近い状況も生まれることになるので、とっても恐ろしいことです】

* 小選挙区制を導入したのは細川内閣のときです。
2大政党が立候補すれば、政策論争が深まり、利権や業界との癒着もなくなるといううまい話を振りまきましたが、
政策など2の次、3の次で、利権を求めてひっついたり離れたりと醜い姿をさらけだしているのが現実です。

* 私としては、中選挙区制に戻して、比例代表制の比重を大きくすることで問題はずいぶん解決されると思います。

 全国を300の選挙区に細かく割ってしまう小選挙区制は、人口が変動すれば選挙区ごとの格差が拡大することになってしまい、またもや「違憲」状態が生まれてしまうのです。
【「違憲」や「無効」を判決した高裁判決はそろって「0増5減」案は「格差是正とはいえない」と厳しく批判しています】
: 大政党に有利で議席に結びつかない「死に票」が多くなってしまう小選挙区制は、選挙制度にふさわしくないと、導入される前からいわれてきたことです。
高裁判決を真剣に受け止めて、中選挙区に戻すのがベターだと私は思います。


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